労災・ハラスメント被害(パワハラ・セクハラなど)

労働災害は、労働者に無理な働き方を強い、労働者の心身を犠牲にします。

パワハラ、セクハラは、いずれも人間としての尊厳や性的自由を侵害する違法行為です。マタハラは、子どもを産み育てるという人間として必要不可欠でとても大切な営みを困難にします。

いずれも、あなたひとりに起きていることではなく、今の社会の縮図でもあります。ぜひ、泣き寝入りしないで立ち向かい、職場と社会の理解を拡げてより働きやすい社会を作っていきましょう。弁護士が伴走します。

労災

労災保険の支給対象となる労働災害とは、業務災害(労働者が就業中に業務が原因となって被った負傷、疾病または死亡)と、通勤災害(通勤によって労働者が被った傷病)を指します。

このいずれかにあたれば、使用者に故意や過失がなくても、労働者が被った損害を補償するために一定の金銭の支給を受けられるという仕組みが、労災保険です。

工場や建設現場で作業中に怪我をしたような場合だけでなく、仕事が忙しすぎて寝る暇がないような状態が続いた後に脳や心臓の疾患に罹った場合、また同じように仕事が忙し過ぎたり仕事のストレスがかかり過ぎることがあったために抑うつ状態になり自殺したような場合でも、業務災害にあたります。

使用者には、労働者の生命や身体の安全及び健康等に配慮し、危険から保護する義務があります(安全配慮義務)。

労災が起きたことにつき使用者に安全配慮義務違反や、故意・過失が認められるような場合には、労災保険でカバーされる範囲だけでなく、労働者が被った損害を全て補償することを使用者に請求できることになります。

労災の補償が受けられるかどうか、使用者にどの範囲で補償を請求できるかは、どのような状況で、使用者が何をしたために(あるいはしなかったために)労災が起きたのかという個別具体的な事情によりますので、ご相談ください。

パワハラ

パワハラとは、職務上の地位や人間関係の優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与える行為、あるいは職場環境を悪化させる行為を言います。

典型的には、上司から部下に対する度を超えた叱責や暴言・暴行、仕事と関係がなかったり合理性がないことを命じて強いてやらせるような嫌がらせ行為、仲間外しなどです。

パワハラは、上司から部下に対するものだけでなく、同僚から同僚に対するもの、部下から上司に対するものもあり得ます。

例えば部下であっても上司よりもパソコン知識が豊富で頼りにされており、事実上、上司に対して一定の影響力を持っている者が、上司のパソコン知識のなさを過度にからかいの対象としてみんなの前で貶めたような場合、パワハラにあたる可能性もあるのです。

このようなパワハラを会社が放置したり助長したような場合には、行った人に対してだけでなく、会社に対しても損害賠償を請求することができる場合があります。

また、会社に対して調査を求めたり、再発防止策を実行して貰うことも考えられます。

セクハラ

セクハラとは、相手の望まない不快に感じさせる性的言動を指します。

セクハラになるかどうかは受け止める側がどう感じたかによるとされています。
こう言うと、何でもセクハラになり得て怖いと思われる方もいるでしょうが、許されるはずと思い込んで行動せず、相手がどう感じているかを常に意識して行動すること、相手の立場と自分の立場の違いを留意することで、気付かないうちにセクハラをしてしまうという事態は減らすことができるでしょう。

セクハラには、職場での優位性を利用したり、解雇・減給などの不利益を与えることを脅しとして用いて性的関係を得ようとする対価型、職場環境を不快にさせる環境型があります。

環境型には、性的なポスターを貼る、性的冗談を言う、私生活上の性的事柄に過度に触れる、胸やお尻を触るなどの行為が含まれます。

セクハラは、職場の環境を悪化させ、働く人、特に女性の労働権や人格を傷つける行為です。事業主は、男女雇用機会均等法によって、セクハラ防止のために雇用管理上必要な措置をとることが義務付けられています。

セクハラが会社の業務に付随して起きたものであったり、会社が雇用管理上なすべき義務を怠り、セクハラを放置したり助長したような場合には、行った人に対してだけでなく、会社に対しても損害賠償を請求することができます。

会社には、均等法の指針により相談窓口をあらかじめ定めることが求められています。
相談窓口に対して調査を求めたり、再発防止策を実行してもらう、加害者の配置転換等の人事上の措置を要求することも考えられます。

マタハラ

マタハラとは、妊娠・出産等を理由とする労働者に対する不利益取り扱いを指します。

典型的には、妊娠したことを理由に解雇や雇い止めを言い渡されたり、正社員から契約社員やパート・アルバイトになるよう契約形態の変更を求められる、出産・育児休暇からの復職を認めてもらえない、復職が認められたとしても子どもができたことを理由に降格されたり異動されたりするなどの事例があります。

このようなマタハラは、男女雇用機会均等法や育児・介護休業法に違反する違法行為です。
マタハラを受けた場合には、違法行為であることを明確に使用者に伝えて、改善を求める必要があります。

女性のご相談者の方へ

私たちは、女性も男性もそれぞれ経済的に自立し、暴力に晒されることなく安心して、爽やかに関係を築いていかれる社会になってほしいという願いをもって、弁護士としての仕事に取り組んでいます。

残念ながら、社会の中には女性に対する差別・偏見がまだまだたくさんあります。
セクハラ・マタハラは、その最たるものです。ご希望であれば女性弁護士が法律相談を担当いたしますので、遠慮なくお申出ください。

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