10 刑事事件

刑事事件では、なるべく早めに弁護人をつけて、被害者への被害弁償や示談、更生のための取組などを始めることが重要です。

逮捕されてしまったら

逮捕は、仕事や家庭生活といった日常生活から突然に切り離され、隔離されてしまうことですから、非常に大きなダメージを与えます。弁護士であれば夜間でも逮捕された人に面会できます。まずは、何が起きたのかを確かめ、関係者へ連絡を取ったり、身柄拘束をなるべく短くするための活動を開始します。

被害弁償と示談

被害者に直接謝罪したり示談の話を進めることは、加害者本人が行うことは容易ではありません。第三者で客観的な見方のできる弁護士が間に入った方が、過度に感情的にならず、うまくまとまることが多いのです。事案によりますが、早期に被害弁償と示談を進めることで、身柄の解放や、不起訴処分を得ることも期待できます。

勾留に対する準抗告・保釈請求

逮捕された人は、逮捕後48時間以内に検察官に送致され、逮捕後72時間以内に勾留が請求されなければ釈放されます。この検察官による勾留請求は、法律上は身柄拘束の必要性がなければできないことになっているのですが、実際には身柄拘束の必要性が明らかとは言い難い事件を含め、かなり広い範囲の事件で勾留請求され、裁判所により勾留決定が出されます。一度目の勾留は10日間ですが、延長することができ、ひとつの逮捕につき逮捕から起訴まで最大23日間、身柄を拘束されることになります。仕事があり家族がいる人が、23日間も社会から切り離されることの被害は甚大です。場合によっては、会社を辞めざるを得ない場合もあり得ます。 そこで、弁護人として、検察官に対して勾留請求をしないように、また、裁判所に対して勾留決定をしないように意見書を提出したり、勾留決定に対して準抗告(異議申立)を行うといった弁護活動が重要になります。 また起訴され、なお身柄拘束が継続する場合には、保釈金を支払って身柄を解放してもらう、保釈の請求ができます。

法廷弁護

起訴されて裁判になった場合には、弁護人は、検察官が提出した証拠を検討し対抗すると共に、被告人に有利な証拠を集めて提出し、法廷で取り調べられるようにします。また、被告人本人や証人を尋問し、有利な事情を証言によっても明らかにしてゆきます。最後に、事件全体を通して被告人側の主張を整理しまとめた弁論を行い、裁判所にわかりやすく主張を伝えます。 当事務所は、裁判員裁判や否認事件を含め、様々な刑事弁護事件を取り扱っています。

更生に向けた取り組み

刑事事件を犯す方は、必ずしも「悪い人間」ではありません。何かしらの生き辛さを抱えており、自分が抱えている問題への対処法がわからず、誤った対処法を身につけてしまっている場合があります。逮捕されたり裁判にかけられることは、そのような生き方を変えるための一つの契機にもなり得ます。 薬物依存や性犯罪など依存症に関わる犯罪、クレプトマニア(病的窃盗症)、ドメスティック・バイオレンスなどは、治療プログラムを提供している機関を可能な限りご紹介します。自助グループにつながることも大切です。このような更生に向けた努力を行うことは、裁判で有利な情状となるだけでなく、加害者とその家族がより良い人生を選択する第一歩となります。
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