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2024年11月6日

海渡弁護士による『虎に翼』解説~ 2024.9.25 NHK朝ドラ「虎に翼」のどこが画期的だったのか?

【2024.9.25  NHK朝ドラ「虎に翼」のどこが画期的だったのか?】

私も、2週目くらいから、面白いと人から勧められてみずほさんと一緒に見始めました。すぐに夢中になって、毎朝欠かさず、見られないときは録画してみるようにしました。

NHKの朝ドラをきちんと見た記憶は、弁護士になってからだと「あまちゃん」ぐらいかなと思います。

寅ちゃんの恋の行方をやきもきしていたら、雄三さんの戦病死、戦後には花岡さんが餓死したりとか、悲しいこともたくさん起きましたね。

ここまで見てくると、このドラマは、寅子さんと女子部の仲間たち全員が主人公のドラマだったなと思います。

そして、様々なマイノリティが、これまでずっと感じて来た「生き難さ」に形を与えて、言語化し、国民全体がきちんと考える課題に押し上げたという点が、もっとも大きな功績ですね。

後半になって、司法の抱えている深刻な問題にどんどん鋭く切り込むようになりました。これは、ドラマが大きな人気を博し、政府・自民党からの介入を困難にする力関係ができたので、思い切って突っ込むことにしたのだと思います。

原爆裁判、公害裁判、ブルーパージ、少年法改正、尊属殺人など、司法の世界を揺るがした重要な出来事を脚本に織り込んでいった、吉田さんとスタッフの作り込まれた脚本がすばらしかったと思います。まもなく、終わってしまうのが残念ですが、この稀有な番組を、私たちに届けてくれたキャストとNHKのスタッフのみなさんに心から感謝します。

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