原告代理人弁護士 小 竹 広 子
原告代理人弁護士 河 邉 優 子
2026年2月20日付の札幌地裁判決で、学校法人恭敬学園が運営する北海道芸術高校札幌サテライトキャンパスに通っていた女性が16歳から18歳まで教員から継続的性被害を受けていたことにつき、1100万円の損害賠償請求が認容されました。この事件について、小学館が漫画家である加害教員を別名で原作者に起用していたことなどが問題とされています。
この件について、以下のとおり、原告からのメッセージをお伝えさせていただきます。
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原告からのメッセージ
私が訴訟を起こした相手は、加害教員と、北海道芸術高校札幌サテライトキャンパスを運営する学校法人恭敬学園です。私のように無防備で幼い学生が次々と同じような被害に遭い続けるのを絶対に止めたいという思いで、この裁判を起こしました。私が本当に許せないと思っているのは、判決が出ても非を認めて謝罪しようともしない加害教員です。 このたび、思ってもいなかったような騒ぎになり、マンガワンで活躍されていた、加害教員とは全く関係のない漫画家さん、作家さんを巻き込んでしまい、申し訳ない気持ちで一杯です。 私は、小学館の編集者さんが間に入って加害教員と示談の話し合いをした際、「連載を再開する際には読者の方々の為にも体調不良や療養など虚偽の理由を述べずに休載期間について事実に基づいた説明をしてもらいたい」と希望しました。それが受け入れられなかったこともあり、示談には至りませんでした。判決後、小学館が、私にわからないように別のペンネームを使って加害教員を原作者として活動させていたことを知って、確かにショックでした。しかし、私は、前科がある人であっても、絵を描いたりストーリーを考えたりすることはしても良いと思いますし、そういう人に発表の場を与えることも、一概に悪い事だとは考えていません。ただ、私は、加害教員の漫画を読んでくれている読者に対して誠実に、休載の本当の理由を伝えるべきだと思っていただけなのです。加害教員には、犯罪行為を認めて充分な対処をした上で、二度としないと約束してから次に進んでもらいたいと考えていました。 2026年3月5日発売の週刊文春に「被害女性が全告白『私は性加害漫画家と小学館を許せない』」というタイトルの記事が掲載されましたが、私はこのタイトルがつけられることを事前に知りませんでした。私が文春の記者さんにお話したのは「やるせないです」という言葉であり、「小学館を許せない」という発言はしていません。 2026年3月5日、小学館の取締役の方々が代理人弁護士の事務所に見えて、電話を通じて私に、これまでの対応について謝罪して下さいました。私は、被害の実相を知ってもらい、同じような被害に遭う人を無くしたいという思いが第1で、小学館に対して強い怒りや恨みを持っているわけではないこと、特に、漫画家さんの作品を小学館から引き揚げて欲しいとも思っていないし、多くの漫画家さんの活躍の場であるマンガワンをなくして貰いたいとも思っていないこと、私自身、小学館が発行している漫画のファンで漫画に助けられてきた人間なので、今後も良い漫画を世の中に出していっていただきたいことをお話しました。小学館の方からは、今後の再発防止をお約束いただき、終始、穏やかにお話することができました。 これ以上、小学館への批判がインターネット上で炎上することは、望んでおりません。また、あらかじめ申し上げておきますが、文春に対する批判についても、同様に、望んでおりません。 私の事件に、多くの方が関心を寄せていただいたことは、本当に有り難いです。私が心から望むことは、加害教員からの被害の実相を広く知っていただき、こんなことが起きないよう、社会全体で子どもを性被害から護る仕組みをつくっていただくことです。それぞれのお立場で、できることに取り組んでいただければ、大変嬉しいです。どうぞよろしくお願い致します。 原告 |
(以下は弁護士からの発信になります)
本件の札幌地裁判決では、学校側の責任は認められませんでしたので、原告は、学校側を控訴しました。また教員側も控訴する予定と報道されています。
加害教員は、原告が高校に入学した15歳時より教員としての立場を利用してグルーミングを開始し、親を批判して原告が孤立するよう仕向け、慕われる存在になった上で、性的な働きかけを開始しました。性的行為そのものは学校から物理的に離れた場所で行われたとしても、学校内で構築された先生と生徒という強固な上下関係が無くなるはずはなく、原告には拒絶することができませんでした。性的被害自体も、原告が「悪い子」だからだと責任転嫁する考えを、加害教員から思い込まされてしまい、原告は、二重三重に心理的に囚われた状態となって被害を受け続けました。
同じ加害教員から性的被害を受けていたのは、原告だけではなく、原告より上の学年にも複数の被害者がいたという情報が寄せられています。
今後、世界のどこにも同じような被害者を出したくないという原告の思いを受けて、加害教員とともに学校側の責任をも認めていただけるよう、控訴審での訴訟活動を行っていくつもりです。












