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2024年10月31日

「結婚の自由を全ての人に東京一次訴訟」控訴審で画期的な違憲判決

永田真衣子弁護士が弁護団に加わっている「結婚の自由をすべての人に」東京一次訴訟(いわゆる同性婚訴訟)の控訴審判決において、10月30日、性的指向が同性に向く者について、現行法令が、民法739条に相当する配偶者としての法的身分関係の形成にかかる規定を設けていないことは、憲法14条1 項及び24条2項のいずれにも違反するとの画期的な違憲判決を下しました。

本判決は、婚姻の意義や目的について、「婚姻は、当事者間の親密な人的結合関係を社会的に正当なものと認め、一定の効果を与える制度である」こと、「自らの自由意思により人生の伴侶と定めた相手との永続的な人的結合関係について配偶者としての法的身分関係の形成ができることは、安定的で充実した社会生活を送る基盤をなすものであり、個人の人格的存在と結びついた重要な法的利益として十分に尊重されるべきであること」を述べて婚姻の意義や目的を詳細に認定したうえで、このような婚姻の重要な法的利益やそれに伴う法的効果が、本人の意思で選択や変更することができない性的指向という属性により与えられていないという区別が生じているところ、こうした区別により生じる不利益は重大であり、区別に合理的根拠があるとはいえないと判断しました。

東京一次訴訟の地裁判決においては、法律上の同性カップルについて、何ら家族になる制度が設けられていないことについて、24条2項の「違憲状態」があるとの判断にとどまったものの、本判決は、婚姻について取扱いの区別が生じていることについて、違憲判断を下している点で、地裁判決からさらに一歩進んだ判断をしています。

さらに注目すべき点は、この区別を解決するための具体的な立法についても言及している点です。立法の方法については、選択肢があることを示しつつも、個人の尊重(憲法13条)及び法の下の平等(14条)に立脚したものでなければならないとしたうえで、具体的な例として、例えば配偶者相続権等、生殖能力の有無に関わらず認められるべきものについて同様の規定を設けない制度は違憲になる可能性があることを示しており、婚姻制度若しくは婚姻制度に限りなく近い制度の構築を求めたものとも評価できます。

本判決を含めると、2件の高裁判決を含む7件もの違憲判断が積み重なっています。今後の全国の「結婚の自由をすべての人に」訴訟の高裁及び最高裁においても、明確な違憲・違法との判断が下されること、そして、何より、立法府において、本判決を重く受け止め、直ちに婚姻の自由と平等を実現する立法を行うことが強く期待されます。

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